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青の辞典

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柳谷 杞一郎 (著) ISBN 978-4-8441-3814-3 A6判 ハードカバー 288ページ 発行 雷鳥社 2025年5月 「青は漠を意味していた」 「青は鮮やかな赤を含んでいた」 意外な「青」が持つ意味合い、伝統色としての青、海外に衝撃を与えたジャパンブルー、青い文学・ことば・印刷上の青・国旗・鳥・虫などのいきもの。 青の世界の入口を、写真、イラスト等ビジュアルとともに紹介。 ●1890年に来日した小泉八雲の日本の印象は「小さい」「青い」だった! ●英語の色名辞典には「ジャパンブルー」「ジャパニーズブルー」が入っている。 ●日本の絵具メーカーは青系油水彩絵具を24種、青系透明水彩絵具を18種製造。 ●青い蝶は幸せの象徴。 ●美しい見た目の青い貝。実は悪臭を放つ! ●ソマリア連邦共和国の国旗は、青の面積が大きい。 ●VISA,AMERICAN EXPRESS,FACEBOOK,NOKIA,P&B……多くの企業がブランドカラーに青を採用。 ●地球は青かった。 目次 はじめに 「靑」を再現する方法 「靑」の持つ意味 色の三原色/光の三原色 印刷物の網点 「靑」の漢字辞典 日本の伝統食「靑編」 日本の伝統色とはなにか 日本の伝統色索引 青にまつわる言葉辞典 前書きなど はじめに 古代の日本語で、色をあらわす言葉は「クロ」「アカ」「シロ」「アオ」の4語しかなかったとされる。この4語は他の色をあらわす言葉とは別格の存在である。「黒い」「赤い」「白い」「青い」。「い」を加えただけで形容詞になるのはこの4語だけだ。また「真」を冠して「真っ黒」「真っ赤」「真っ白」「真っ青」と表現できるのもこの4語のみである。純粋な混じりけのない絶対色といっていい。 「古事記」にも登場するこの4語、色をあらわす言葉というよりは、光の状態をあらわす言葉だったようだ。すなわち「暗」(暗い闇の状態)、「明」(夜明けとともに空が赤く色づいていく状態)、「顕」(すべてがハッキリと見えている状態)、「漠」(その中間の状態)を原義としている。  さて本書のテーマは、「漠」を意味する「アオ(青)」である。  「漠」を原義とする「アオ」のイメージは「シロ」(白昼)から「クロ」(闇夜)へとつながっていく中間の状態をさす。したがって、「アオ」が意味する色の範囲はきわめて広かったようだ。本来は灰色がかった白色を意味した。古代においては黄昏時の藍色や紫色だけでなく緑色はもちろんのこと灰色もアオなのである。  子どもの頃、どう見ても緑色をしている信号を青信号とよぶことに違和感を覚えた人は少なくないだろう。英語圏では青信号は「green」と認識されているのだ。「青田」「青葉」「青々とした山々」という言葉にも納得がいっていなかった。田んぼも、山も緑色ではないか。  理由は緑色という色の概念が定着するまで緑色は青の一種だったからに他ならない。若竹色も苔色も鶯色も、大きく分類するならすべてアオなのである。  その青は、ある意味日本を代表する色となっていく。  葛飾北斎の「富嶽三十六景」で使用された「ベロ藍」(プロシャンブルーという名の合成顔料は1704年、ベルリンとパリで同時期に発見される)とよばれるブルーは特に20世紀の西欧に鮮烈な衝撃を与えたようで北斎ブルーとして高く評価された。北斎だけでなく、歌川広重をはじめ多くの絵師が独特の青の色使いで人気を博し、ジャパンブルーは大いにその名声を広めたのである。英語の色名辞典には「ジャパニーズブルー」「ジャパンブルー」の色名が存在するのだ。  1890年に来日した小泉八雲(ラフカディオハーン)の著書「東洋の土を踏んだ日」には「青い屋根の下の家も小さく、青いのれんを下げた店も小さく、青いきものを着て笑っている人々も小さいのだった」とある。日本の第一印象は「小さい」と「青い」なのである。紀元前からエジプトや中国では藍染が始められており、紀元後は日本だけでなく世界中で藍染技術は普及していたにもかかわらず、日本の藍染が外国人の目にどれほど印象的だったのかが想像できる。  サッカー日本代表の愛称も「サムライブルー」。ユニフォームも基本はずっとブルーを基調につくられているのだ。  本書では、この面白くて魅力的な「青」「アオ」「ブルー」の世界を徹底検証していこうと思う。「青」の意味を紐解いていくことは、「日本」を知ることにもつながっていくに違いない。 著者プロフィール 柳谷 杞一郎 (ヤナギタニ キイチロウ) (著) 編集者・写真家。1957年広島生まれ。修道学園中・高等部、慶応義塾大学卒業。写真集に「RAPA NUI」(エスクァイア・マガジン・ジャパン)、「X」(ぶんか社)。著書に「65歳からのエベレスト街道トレッキング」「パキスタンの山旅を愉しむ」「写真でわかる謎への旅・イースター」、「写真でわかる謎への旅・マチュピチュ」、「星の辞典」、「進化するモチベーション戦略」「ぼくたちの論語」(雷鳥社)、「大事なことはみんなリクルートから教わった」(ソフトバンク文庫)など多数。

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