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赤井 都 (著),スワスティカ・ハルシュ・ジャジュ (訳)
ISBN 978-4-911550-00-7
B6変判 80ページ
発行 山小屋ブックス 2025年5月
先へ先へ、漕いでいけばいいのです──。
どこかの海で、ひとりの人が書き残した、ある航海の記録。
豆本作家・赤井都が紡いだ、短くも鮮烈な物語。2016年に限定30部で制作された豆本が、ついに単行本として生まれ変わります。
主人公である「私」は、どこかの海でひとり舟を漕いでいます。あるとき、同じように舟を漕ぐ誰かの気配を感じ、「おおい」「おおい」と呼びかけ合いながら、しばらく並走して同じ時を過ごします。
しかしやがて、また「私」はひとりに戻る──それでも漕ぎ続ける、小さな舟の航海の物語です。
人生における出会いと別れ、哀しみと希望。それらを鮮やかに描きながら、この物語は、「私」として生きる自由や孤独、そして限りある命を、ありのままに祝福します。
海の色のように、読むたびに景色を変える──果てない魅力を湛えた、静かで深い一冊です。
日本語と英語の日英併記。表紙からは日本語、裏表紙からは英語で読み進められる構成になっています。
著者プロフィール
赤井 都 (アカイ ミヤコ) (著)
豆本作家、ブックアーティスト。自作の物語をそれにふさわしい形の本にしたいとの思いで、豆本制作を続ける。2006年、ミニチュアブックソサエティ豆本コンクールで日本人初のグランプリを受賞(『籠込鳥』)、2022年までに五回の受賞を重ねる。ルリユール、書籍の修理と保存の技術を習得。オリジナル作品に『雲捕獲記録』『寒中見舞』『月夜のまひる』、著書に『豆本づくりのいろは』『そのまま豆本』(河出書房新社)、『楽しい豆本の作りかた』(学研パブリッシング)などがある。
https://kototsubo.com
スワスティカ・ハルシュ・ジャジュ (スワスティカ ハルシュ ジャジュ) (訳)
詩人。インド出身で福島県浪江町在住。東北大学大学院国際文化研究科で言語学の修士号を取得。現在はF-ATRAs (一般社団法人双葉郡地域観光研究協会)のマネージャーとして勤務しつつ、英語、日本語、ヒンディー語、ウルドゥー語の翻訳と通訳を行う。オンラインで詩の作品を発表。 https://www.sjajoo.com
※データは刊行時のもの