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ピク・シュエン・フォン (著)神崎朗子 (訳)
ISBN 978-4-86528-461-4
四六判 316ページ
発行 左右社 2025年3月
1997年、中国本土返還──。
家族のために香港で働き続けることを決意した父を残し、私たちはバンクーバーへ移住した。春節のときにだけ再会できる離ればなれの家族、それは宇宙飛行士の家族(アストロナット・ファミリー)と呼ばれた。
三歳半のときに親に連れられて香港を離れ、カナダが「故郷」となった「私」。カナダで生まれ、すっかり英語圏の文化に生きる妹。父を残して移住し、幼い子どもたちを育て上げた母。そして、ひとり香港に残り、働き続けることを決意した父。
父が病床に伏したとき、家族それぞれの胸中によみがえる孤独、わだかまり、そして温かな想い。繊細で詩的な筆致で描く、ある家族の物語。
アメリカとカナダで刊行され、Amazon Canada First Novel Award、
Rakuten Kobo Emerging Writer Prize(ともに2022年)を受賞するなど高く評価された、著者の自伝的デビュー小説。
どうしよう、父さんに「I love you.」といちども言えなかったら──
著者プロフィール
ピク・シュエン・フォン (著)
香港生まれ、バンクーバー育ちのカナダ人作家。アメリカの大学で美術を専攻し、スクール・オブ・ビジュアル・アーツで修士号を取得。ビジュアル・アーティストとしても活躍している。ニューヨーク在住。デビュー作である本書はアメリカとカナダで刊行され、Amazon Canada First Novel Award、Rakuten Kobo Emerging Writer Prize(ともに2022年)を受賞するなど高く評価され、イタリアやトルコなど複数の国で翻訳されている。
神崎朗子(かんざき・あきこ) (訳)
翻訳家。上智大学文学部英文学科卒。おもな訳書にF・B・アルバーティ『私たちはいつから「孤独」になったのか』(みすず書房)、C・クリアド=ペレス『存在しない女たち』(河出書房新社)、A・A・オウラヴスドッティル『花の子ども』(早川書房)、アンジェラ・ダックワース『やり抜く力 GRIT』(ダイヤモンド社)、J・L・スコット『フランス人は10着しか服を持たない』、K・マクゴニガル『スタンフォードの自分を変える教室』(ともに大和書房)などがある。