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小指(作)
ISBN 978-4-560-09115-9
A5判 182ページ
発行 白水社 2024年7月
寄居、いちょう団地、石岡、城ヶ島……有名な観光地でも“映え”スポットでもない、人々に忘れ去られそうな場所を「たまたま」訪れる愉しみ──。
外出や旅行が憚られたコロナ禍の2020 年。漫画・エッセイ・絵画・音楽等多方面に活躍する著者は、どこにも行けないのならと家に籠り、わずかひと月の間に過去の旅の思い出を漫画と文章で甦らせ、『旅の本』という書名で自費出版、大きな反響を呼んだ。これを大幅に加筆・修正し、さらにPR誌「白水社の本棚」連載「偶偶放浪記」や書き下ろし四篇を加え、新たな旅の本としてまとめたのが本書である。
宿も食事も想定外、なぜか巻き込まれる奇怪なアクシデントの数々、時代に取り残され失われつつある光景、交錯する自らの記憶……笑いと哀感が入り交じり、読後はふらっとどこかへ行きたくなること必至の、珠玉の旅漫画+旅エッセイ集。
目次
はじめに
登場人物紹介
いちょう団地の思い出
寄居旅行記
城ヶ島奇譚
ほら穴
神々の集う島 神津島
まぼろしの町 石岡
天下茶屋散歩日記
近所のチベット 笹山団地
大阪遠征 西成さすらい編
山谷のアーケード遺跡
沖縄のアサヒ食堂
横須賀の奇人「アトム爺」
横浜中華街にまつわる掌編
子安という町
京急線と奇妙な長屋群
関西旅行記
偶偶放浪記[第1~6話]
おわりに
初出一覧
著者プロフィール
小指(こゆび)(作)
漫画家、画家、随筆家。1988年神奈川県生まれ。武蔵野美術大学卒業。
過去に自主制作で『夢の本』『宇宙人の食卓』『旅の本』『人生』を発表。2023年、依存症と内省の記録『宇宙人の部屋』(ROADSIDERS)を刊行。白水社PR誌「白水社の本棚」にて「偶偶放浪記」を連載中。
また本名の小林紗織名義で画家として活動し、音楽を聴き浮かんだ情景を描き記録する試み「score drawing」の制作や、岸本佐知子・柴田元幸編訳『アホウドリの迷信』、リー・アンダーツ著『母がゼロになるまで』等書籍の装画も手掛ける。第12回グラフィック「1_WALL」審査員奨励賞受賞(大原大次郎選)。