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高橋 哲哉(著)
ISBN 978-4-480-68479-0
新書判 176ページ
発行 筑摩書房 2024年5月
沖縄の基地問題を理解し、その解消を目指すためには、まず、沖縄が日本に併合された経緯やその後何度も本土のために犠牲になった歴史を知らなければならない。
本土からの訪問者は年間数百万人にも上るが、沖縄に基地が集中しているのはなぜなのか、きちんと理解している人は少ない。
沖縄への過剰な負担についての本土の無関心は、沖縄に対する差別なのではないか? という意識が広まっている。そこにはどんな歴史的、構造的な理由があるのか。沖縄の基地問題に関心がなかった人、よく分からないという本土の人に向けて知って欲しいことを解説した一冊。
琉球処分、人類館事件、沖縄戦、アメリカによる統治、基地問題……本土と沖縄の関係を読み解くための大事な一冊。
目次
第一章 沖縄の歴史
琉球処分
人類館事件
アジア太平洋戦争と沖縄
第二章 構造的差別とは何か
沖縄戦後に「戦後」は来たか
基地の島・沖縄
第三章 沖縄から問われる構造的差別
沖縄からの「県外移設」論
新たな「沖縄戦」の危機
対話 沖縄へのコロニアリズムについて
著者プロフィール
高橋 哲哉 (タカハシ テツヤ)(著)
1956年生まれ。哲学者。東京大学教養学部教養学科フランス科卒業。同大学院哲学専攻博士課程単位取得。東京大学名誉教授。著書に、『記憶のエチカ――戦争・哲学・アウシュビッツ』(岩波書店)、『戦後責任論』(講談社)、『靖国問題』(ちくま新書)、『犠牲のシステム 福島・沖縄』『沖縄の米軍基地――「県外移設」を考える』(以上、集英社)、『日米安保と沖縄基地論争――〈犠牲のシステム〉を問う』(朝日新聞出版)ほか。