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大塚 英志(著/文)
ISBN 978-4-7684-8000-7
A5判 144ページ
発行 白澤社 2024年3月
「マイナンバー制度ってよくよく調べてみると自民党の改憲案と、とてもよく似ているんだよねという話、その他」。
マイナカード問題は終わらない。任意であるはずのマイナンバーカードを、従来の健康保険証を廃止してまで国民に持たせようとする現政府の強引なやり方に批判の声が高い。だが、問題の本質はカードとしての利便性ではない。マイナンバー制度によって変化する社会や国家なのだ、と著者は指摘する。
本書は、マイナンバーが「外圧」と財界の要請によって始まったことや、国民総背番号制度が浮上した1970年代から現在のマイナンバーカードにいたる50年間の国会審議の流れを概観しながら、マイナンバー制度によってどのような「社会」が目指されているのかを予見。「スーパーシティ」、「大阪万博」、自民党改憲案とも繋がっていることを明らかにする。
目次
序 「ショッカーの野望」は何であったか
1 国民総背番号制度は財界の要請と北米の「外圧」で始まった
2 国民総背番号制からマイナンバーへ:国会審議の行方
3 スーパーシティというディストピア
さいごに 改憲案とマイナンバー
著者プロフィール
大塚 英志 (オオツカ エイジ) (著/文)
1958年生まれ。まんが原作者・批評家。
まんが原作者としての著書は永山則夫をモデルとした『アンラッキー・ヤングメン』(藤原カムイ作画)など自作ノベライズを含め100冊近い。批評家としての著書には、戦時下のメディア表現を論じた『大政翼賛会のメディアミックス』『「暮し」のファシズム』『大東亜共栄圏のクールジャパン』、柳田國男と黎明期の民俗学を論じた『捨て子たちの民俗学』『怪談前後』『殺生と戦争の民俗学』など。憲法関連書に、『私たちの書く憲法前文』『今、改めて「自衛隊のイラク派兵差止訴訟」判決文を読む』などがある。