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※「特集:書店、再び共有地」で当店も取材して頂き、2ページの記事が掲載されています。
ミシマ社(編集)
ISBN 978-4-909394-67-5
四六判 200頁
発行 ミシマ社 2022年5月
■特集:書店、再び共有地
現代に生きる「共有地」たりうる本屋さんを渾身取材。
・SeesawBooks(北海道・札幌)
・フルハウス(福島・南相馬)
・栞日(長野・松本)
・Antenna Books & Cafe ココシバ(埼玉・川口)
・ポルベニールブックストア(神奈川・鎌倉)
・ひびうた(三重・津)
・毎日食堂(兵庫・南あわじ)
・ウィー東城店(広島・庄原)
・汽水空港(鳥取・東伯)
・うなぎBOOKS(福岡・八女)
◎特集対談
平川克美×本屋「Title」店主 辻山良雄「小商いをはじめたら、共有地ができてしまった」
【特集に寄せて】
社会を安定的に持続させてゆくためには、社会の片隅にでもいいから、社会的共有資本としての共有地、誰のものでもないが、誰もが立ち入り耕すことのできる共有地があると、わたしたちの生活はずいぶん風通しの良いものになるのではないか――平川克美『共有地をつくる』。
この一文のあと平川さんは、「国家のものでもないし、「私」のものでもない」、「自分一人で生きてゆくのではなく、かといって誰かにもたれかかって生きているわけでもない場所」と共有地を定義づけます。たとえば、喫茶店、銭湯、居酒屋、縁側など。
これを読んだときすぐに、間違いなく書店もそうだ、と直感しました。なぜなら、私たち(ミシマ社)は書店さんと日々、直取引をおこなうなかで、書店という場が読者、のみならず地域の人たちにとってどんどん「共有地化」しているのを感じていたからです。
いえ、なにも急に起こった現象ではありません。むしろ逆で、かつてはほとんどすべての書店がそうだった。そして、一部はそうでなくなっていた。が、いま再び共有地となっている本屋さんが次々と現れている。同時にその姿はかつてと同じではない。つまり、強すぎる地縁や共同体意識などから解放されてある。
かつてあった、ということは今もできるという裏返し。
かつて、と違うかたちなのは、現代社会が希求するかたちへ変形したということ。
現代の共有地はこうしたふたつの希望を抱えて現出してきつつあるのではないでしょうか。
本特集では、現代に生きる共有地たりうる本屋さんを、普段よりお付き合いさせていただいているミシマ社の営業メンバーたちが取材しました。
――本誌編集長 三島邦弘
ほかにも、ここでしか読めない作品が満載。
益田ミリ(漫画)、津村記久子(エッセイ)、三好愛(絵と言葉)、尾崎世界観(小説)、中村明珍(エッセイ)、高橋久美子×渡邉麻里子(対談)、内田健太郎(エッセイ)、滝口悠生(小説)、齋藤陽道(フォトエッセイ)、斉藤倫(創作)、榎本俊二(漫画)、前田エマ(エッセイ)、土井善晴(随筆)、益田ミリ・平澤一平(漫画)、藤原辰史(論考)、松村圭一郎(論考)、松嶋健(論考)、寄藤文平(絵と言葉)。