
秋田麻早子(著/文)
ISBN 978-4-255-01111-0
四六判 288頁
発行 朝日出版社 2019年5月
【同じ絵を見ても、プロと素人では、見ているところが違っていた!?】
・この絵の主役はどこ?
・なぜ、この絵に惹きつけられるのだろう?
・前情報なしに絵を見たとき、どう目を動かしたらいいの?
・バランスや構図が良いとか悪いとか、みんな何を見て言っているの?
ちゃんと絵の中にヒントがあるんです。センスがなくても、知識がなくても、目の前の絵画を「自分の目で見る」、そして「良し悪しを判断する」ことは、できるんです。謎を解くカギは、ぜんぶ絵の中にあります。
絵の研究は、「意味」と「形」の二本柱。この本では、これまであまり触れられてこなかった、「造形」(線や色やバランスや構図)の面から歴史的名画を見ていきます。
描かれたモノを「見る」ためには、少し見方を訓練していないと気づかないものです。
ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ルーベンス、ベラスケス、フェルメール、ゴッホ、セザンヌ――超有名なあの名画、知られざるあの傑作、どう見たらいいか迷う抽象絵画、20世紀を代表する写真まで――
たくさんのカラー作品を練習問題に、初歩の初歩から階段を上がっていきます。はじめて見る絵でも、パズルを解くようにスルスルと絵を読み解いていく面白さ、味わってみませんか?
「どういう絵に対しても使える本書で紹介した絵の見方は、コンパスのような役割を果たしてくれるはず。名画がどうして名画と呼ばれるのか。
今まで見ようとしなかった真実が、きっと見え始めるでしょう」――著者
目次
序章 君は見ているけど、観察していないんだ、ワトソン君―ビジュアル・リテラシー
第1章 この絵の主役はどこ?―フォーカルポイント
第2章 名画が人の目をとらえて放さないのはなぜか?―経路の探し方
第3章 「この絵はバランスがいい」ってどういうこと?―バランスの見方
第4章 なぜ、その色なのか?―絵具と色の秘密
第5章 名画の裏に構造あり―構図と比例
第6章 だから、名画は名画なんです―統一感
著者プロフィール
秋田麻早子[アキタ・マサコ]
美術史研究家。岡山県岡山市生まれ。2002年テキサス大学オースティン校美術史学科修士課程修了(MA)。専攻はメソポタミア美術で、トークン研究で知られるシュマント=ベッセラに師事。2009年より「絵の見方は教えられるか?」というテーマに取り掛かり、2015年からビジネスパーソンの学習の場・麹町アカデミアで「絵を見る技術を学ぼう!」を不定期で開催。名画を自分の目で見る方法を広めることで、人々が自分の言葉で芸術や美について語れる世の中にするのが目標。